『青のフラッグ』第33話 あらすじとネタバレ感想~うわようじょかわいい、なんて言っていられない

ジャンプ+にて連載中、KAITOさんの
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「第33話」

答えると本を片手にそうだと思った、実はそうなんだと
本人を差し置いて盛り上がる友人たち。
小学生の頃流行った血液型占いや星座占い。
たった四つの血液型、12の星座、生まれた日。
目の前の自分より、そこに書かれた情報が正しい自分のようだった。

中学生になり、男女問わず友人が増えた。
しかし、男子と仲良くすると、女子からの誹謗中傷が聞こえた。
調子に乗っている、媚びている、
はべらせていい気になっている。
だから、そうじゃないと分かる格好にした。

前の方が良かったと言い寄る男たちに粗野に振舞った。
男子の中で一人、映画の趣味が合う人が居た。
そんな彼も、彼女が出来たからもう映画に行けないと断られた。
お前と映画の話してるとあいつが嫌がると。
そして、周りもそれに同意していた。

映画を見るなら、彼とが一番だった。
アタシたちと観るでいいじゃんと気を遣った女子もいたが、
むずかしいのムリと即座に否定。
そんなマミに、声をかけてきた男子がいた。

シンゴとは、それをキッカケに仲良くなった。
皆と一緒にいる時も、二人で盛り上がることも有った。

そんなある日、彼が傷だらけで登校してきていた。

誰とも話そうともせず、一人席に座る彼に声を掛けようとするも
別の男子に止められ、そのまま校舎裏に連れていかれるマミ。

仲の良かった男子からの、突然の告白。
その告白自体には頬を赤らめたマミでしたが彼の口から語られたのは、
自分への恋慕から嫉妬し、シンゴを傷つけたという事実。

自分の所為で彼を傷つけた。
泣きながら教室に戻ろうとするマミの前に偶然現れるシンゴ。
何泣いてるんだと心配してくれる彼の言葉に、
その場に泣き崩れてしまいました。

学年が変わり、新しい友達が出来た。
その友達が彼氏を紹介して来たりして、男女で遊んだりもした。

そんな友人の彼氏と、友人つながりで良く喋る様になった。
いつからか、友人が居なくても声をかけてくる様になった。
そして、妙なちょっかいをかけてくる様になった。

友人に何とかしてくれないかと頼んでみた。
しかし、彼女たちが向ける視線は、冷ややかなものだった。

どうすればよかったのか。
シャワーを浴びながら、呆然と立ちすくむマミ。
「お前が悪い」「おまえがその気にさせた」
そんなつもりなかった。

「絶対裏が有る」「私らのこと見下してる」
好きも嫌いも思った事は全部口に出していた。
「何かしたんでしょ」
何もしていないのに、「何もしない」もしちゃいけないなら、
どうすれば良かったの?
誰にでもなく問いかけるマミの脳裏によぎる、
友人の泣き顔と言葉。

そして気づく、自らの存在を否定されているのだと。

頭に浮かぶ、最悪の答え。
しかし、彼女はそれ自体を全力で否定します。
そんなわけあるか、と。

そして、化粧をして、爪を整え、女性らしさを磨き、
好き勝手言う人たちに抗う事を決意するのでした。

私はあなたではない。
だから私は、あなたの理想の友人の姿を知らない。
それでも必死で、友人となっていくマミ。
しかし、どうしても上手くいかない。

図書館で一人座り込む彼女に、声をかけてくる男子。
今も変わらず接してくれる友人、シンゴであった。

今彼女いるんだから駄目だよと窘めるも
だから泣いてる友達放っとけっていうのかと
それが正常ならオレは異常で構わないと一蹴。
とはいえ、やはり異常と取られる始末。

当然の帰結にため息を吐くマミ。
シンゴを見やり、アタシが好きなの?と敢えて問うてみます。
問われた彼の口から出たのは、
彼女にとって何より嬉しい一言でした。

そして、そんな彼に改めてお願いをします。
嫌われない様に頑張るから、絶対に好きにならないでねと。
彼に抱き着きながら、心から願うマミ。
頼まれたって御免だよと、シンゴは素っ気なく答えるのでした。
高校に入り、同じ高校に進んだマミとシンゴ。
別クラスになった彼を探し覗いた教室で、談笑するシンゴを見つける。

話していたクラスメイトに彼女を紹介するシンゴ。
背中に隠れながら睨むマミに対し、
トーマは優しく笑いかけます。

その顔を見たマミの心の動きを、
シンゴは隣で感じ取るのでした。
そして今に至り、屋上の床に突っ伏すケンスケ。
未だマミと口を利いてもらえず、
彼女の言い分も理解出来ないまま。

自分の事を嫌いじゃ無いのに何故付き合ってくれないのか。
どれだけ考えても理解出来ない疑問を、
シンゴが軽くあしらいます。

友達として好きだから、と改めて説明するシンゴ。
裏表がないから楽だと。
「友達として好き」という言葉が納得できず、
謎だと怒鳴るケンスケ。

中学からの付き合いで一回もその気になった事無いとか
有り得ないと迫る彼に対し、
おまえが俺と付き合わないのと一緒だと返します。

例えでもそういうこと言うなとえずくケンスケ。
トーマはそんな彼らを黙って見ています。
シンゴはケンスケに対し、マミもお前に対して同じ気持ちなんじゃないかと説明。

訳が分からないと立ち上がり、トイレへと去って行ったケンスケを見送る二人。
ドアが閉まるや否や、トーマはシンゴに対し
ケンスケを煽るのを止めろと釘を刺します。
が、売り言葉に買い言葉。

そういう事じゃないと言いたげに睨むトーマ。
そんな彼を見て、お前マミ苦手だろとシンゴは笑って茶化します。
面倒くさい女だから彼女にしたくないのは理解出来る。
と笑っていた彼ですが、突如その表情が暗くなります。
突然、腹の探り合いとかが嫌いだと語り出すシンゴ。
基本的に人間関係は表の顔を信じる体というのが信条。
なんだけど、と前置きを置きながらトーマの行動を評します。

睨み合う様に、目線を合わせる二人。
黙り込むトーマに対し、シンゴは単刀直入に追及するのでした。

感想
マミの真意が語られた前回、
恋人になれないから親友になろうと頑張っていた
男女問わず、友達になりたかった彼女の過去が語られました。
ヤバい、幼女マミちゃん可愛い。
とか言ってられない内容でしたね…。
自分の知らない所で「自分」が形成され、
勝手に判断され、評価され、貶され持て囃され。
何を言っても信じてもらえず、勝手に扱われる。
前回は文句一杯でグチっていましたが、
実際シーンとして描かれると中々辛いものが有りますな。

女子に寄っても男子に寄っても、自分を自分と見てもらえない。
そんな挫折と絶望の中、それでもと言い続けたマミ。
強い子で良かった。
そんな彼女に唯一、連れ添っている友人がシンゴだったんですね。
彼女の考えも心中も知っていて、
忠告したりフォローしたり出来る奴ですよホント。
第1話で太一にもちゃんとあいさつしたり、気配り上手ですしね。

とはいえ、シンゴはケンスケ煽ったり
トーマ煽ったりとマミにぶつけて行っている様にも見えますし
マミもマミでトーマはLOVEだから男女の付き合い希望、
ケンスケはLIKEだから友達付き合い希望なんて
相手の価値観も考えない押し付けは中々アレな訳で。
どちらの行動も、ある意味青春時代らしいというか何というか。

マミの心の形成が語られた今回、
話はそのままトーマの想いの話へ。
シンゴの突然の火の玉ストレートですが、
対してトーマはどう打ち返すのでしょうか。
シンゴがトーマに言った、行動の意味解らなさ。
3年になってからでしょうね、言いたいのはきっと。

そりゃまぁトーマからすれば幼馴染の太一と同じクラスになった訳ですし、
少し時間は空いても仲を取り戻せば連れ合う訳で~
とかいう訳では無さそう。
賢しいシンゴくんの事ですから、この状況ではあしらったり茶化したりは難しそう。
空気の読めないケンスケが戻ってくるまで耐えられるかが勝負だ(笑)
そんな気になる引きで締まったお話の次回更新は8月15日、
2週間後のご予定。
何となくこういうタイミングで番外編ブッコんできそうな気がする―。
スマホアプリ「ジャンプ+」では、そんな『青のフラッグ』の過去話が配信中。
トーマの行動を見返すには持って来いです。
コミック買って読んでも良いんですよ。