『青のフラッグ』第43話 あらすじとネタバレ感想~このまま僕らの地面は乾かない

ジャンプ+にて連載中、KAITOさんの
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「第43話」
帰ろうとする太一たちの前に現れたマミの友人。
何の用だと雄斗が尋ねると、シンゴとケンスケが話をしたいと言っているとの事で、謹慎している彼らの代わりにやって来たそう。
時間なんてないし処分受けてるやつらと話す事も無い。
そう言って太一を連れて行こうとする雄斗ですが、二人はしつこく食い下がります。
何の用事かと尋ねる二人に、受験生だぞと食って掛かる雄斗。
しかし祥子は、今の状況で勉強が出来るのかと太一の図星を突いてきました。

それでも一言も言葉を口にしない太一に変わり、関係ねぇだろと不躾に言い返す雄斗。
それもお前こそ関係ねーじゃんと言い合いに。
彼女たちは遮る雄斗を乗り越え、太一に直接問い質します。

理解出来ず、出てきた名前を繰り返す太一。
彼女はあいつが最悪じゃん、全部あいつのせいじゃんと返し、トーマの事は知ってるよねと矢継ぎ早に話を続けます。
が、それに対しても言葉を返さない太一を見て、彼女を呼び止める祥子。

渋るサヤと比べ早々に諦めた祥子でしたが、そんな彼女の携帯に電話が。
無理っぽいと相手に報告する祥子。
その電話の相手は、そのままその電話を太一に渡す様に指示してきました。
祥子の携帯にかけてきた相手、それは渦中の一人であるシンゴ。
渋々、携帯を耳に当て声をかける太一。
わりぃね突然と気遣いを見せるシンゴですが、太一は冷淡に用件を問いかけます。
ちょっと話せないかなと言い出すシンゴ。
何をと尋ねる太一に対し、彼はシンプルに答えます。

何故仁井村が謝るのか。
戸惑いながら質問する太一ですが、シンゴの一言でその表情は一変。
ダチを傷つけた。
そう言った彼の言葉に、余計に訳が分からないと落ち着けない太一。
そんな太一にシンゴは改まって、謝罪というより相談かなと話を持ち掛けます。

黙り込む太一。
横には彼を見つめる自らの友人と、マミの友人たち。
考え込んだ彼は、自身もその渦中に飛び込むことを決意するのでした。

一方その頃、屋上ではマミと真澄、二葉が三人で問題について相談。

不機嫌そうに話すマミに対し、真澄も同じく不機嫌そうに知らないわよと返します。
アンタの友達は発端を突き止めようとしていたみたいだけどと言われたマミ、
他人の噂話ではしゃげる奴ら一人ずつぶっ殺してぇと誰に言うでもなく悪態を吐きます。

彼女たちの言動に冷や汗を流す二葉。
しかし真澄はマミの言葉に対し、自分の事で些細な不安である人ほどそういうモノだと持論を語り始めました。

それを考えている間は自分の事を考えずに済む。
自分より不幸な、かわいそうな、大変そうな人間を見て安心したいのよ。
中には本当に他人の為だと実際に行動する人もいるでしょうけど、ほとんどが現実逃避の自己満足。
自己を律することなく他人の噂話を楽しむ人間を、バッサリと切り捨てる真澄。
マミはその独白を鼻で笑い、ソレあんたも?と尋ねます。

少し黙って、考え込んだ真澄。
私はそんなに暇じゃないとキッパリ。
真澄の言葉で、トーマを思ってのことだと判断したマミ。
ゆっくりと、あの時の事を語り始めました。

あの時、トーマの好きな人を聞いたマミ。
そこにケンスケが入ってきてトーマに掴みかかった。
感情のままに、大声を張り上げるケンスケ。
真剣に応えようとしていたトーマでしたが、ケンスケの一言が許せませんでした。

よりによってって何だよ。
ケンスケを投げ飛ばし、問い質すトーマ。
ケンスケがトーマにタックルを繰り出し、受け止めたトーマがケンスケの腹に膝を入れ、殴り飛ばす。

倒れ込んだケンスケの襟をつかみ上げるトーマ。
何か文句あんのかよと問うその表情はこれまでに見せた事のない感情を表し。
マミは二人の喧嘩を止めようとシンゴに声を掛けますが、彼は二人を止める事無く静観を続けます。

その行動が理解出来ず、けれども放ってはおけない。
自ら止めに入ったマミですが、トーマはそんな彼女を怒りのままに振り払ってしまいました。

弾き飛ばされ、尻餅をつくマミ。
彼女に手を上げられたことにケンスケが激昂し、トーマの頬に拳をぶつけます。
男が女に手ぇあげてんじゃねぇとトーマの行動に怒鳴りつけるケンスケでしたが、トーマはその言葉に自らの気持ちで言い返します。

その言葉に、マミに同意を求めるトーマ。
気遣いも要らない、手加減も要らない、今まで散々言ってきたことだろう。

ショックを受けるマミ、理解出来ないケンスケ。
ただ一人、彼の言葉を理解したシンゴ。
彼のその言葉が許せず、我慢出来ず殴りつける。

そういう事じゃねぇだろと叱責するシンゴ。
でしたが、そこからはもう収まりが付かず、三人での殴り合いに。
それを見て止める事も出来ず、マミはただ涙を流すしか出来ませんでした。

話を終え、俯いたままのマミ。
話を聞いた上で、話をした上で、それでも理解が出来ない喧嘩だった。
二葉も真澄も、ただただ困惑するしか出来ませんでした。

そしてシンゴとの電話を終えた太一は彩香と祥子に連れられケンスケの家へ。
親もいないという事で、今いるのは彩香、祥子、そしてケンスケとシンゴの4人。

太一は渦中の二人との話し合いに臨みます。
感想
一月ぶりの『青のフラッグ』、不穏だった前回のラストでしたがメッセンジャーだったんですね。
良かった只のでしゃばりじゃなくって。
今回、遂にマミフレンズのフルネームが発表されました。
サヤと呼ばれた片目隠れ子が望月彩香(モチヅキ サヤカ)、ゆるふわガールが蓮田祥子(ハスダ ショウコ)。
ちなみにシンゴは仁井村津吾(ニイムラ シンゴ)、ケンスケは増尾健助(マスオ ケンスケ)、
マミは八木原舞美(ヤギハラ マミ)となっております。
ここテストには出ませんが、今後の展開のために一応憶えておきましょう。

そんなマミフレンズ・サヤ&ショーコに声を掛けられた太一。
他人と関わる気力すらない状況の太一に、慌てふためくだけのオメガとモンちゃん。
それに対してヨーキーの強い事。
以前に進路でふらついてる時もそうでしたが、しっかりきっぱり相手のためにモノを言える良い子ですね。
男が惚れる男になれそうな気がします。性的な意味ではなく。

しかしながら彼の事を分かっているのはサヤたちの方でした。
実際問題、太一からすればもうどうしていい物やらなんですよね。
幼馴染が幼馴染だと思っていたのに、自分に想いを抱いていた。
それに対しどうしたらいいかも分からずに、ただその「ダチを傷つけた」。
シンゴの言葉が引っかかったのは、太一自身がきっと自分もそうしてしまったと思っているからでしょう。
自分が二葉の関係を知り、幸せそうにしている時にどう思っていたのか、どう思わせていたのか。
彼の告白や態度、行動に対し、自分は何をしてしまっていたのか。

行動するなら今。
ブレずに自らの意志を貫く男になってほしいところです。
ところですが、実際ケンスケとシンゴと何を話すのか。
流れ的にシンゴはやっぱり知ってたっぽいですが、彼が傷つけたと言ったのはそこじゃないですものね。
特にケンスケがいるというだけで拗れそうな気しかしない(笑)
恐らくは次回次々回あたりで太一が爆発する事でしょう。
そして、先に爆発していたケンスケとトーマ。
マミの口から語られたあの後に起こった真実でしたが、もう救いようがないな…といった感じ。

マミ自身は、「トーマが好きな人を教えてくれた」と、彼の気持ちを尊重している様子。
自分が「男も女も同じ様に扱ってほしい」と思っていたのを、別の方向で秘めていたと気付いたからでしょうか。
ただまぁそう聞いてもそう思えない人もいる訳でしてね。
ケンスケの「よりによって」でトーマが怒るのもごもっとも。
その後に続く言葉が何であれ、彼の気持ちを蔑ろに扱う言葉でしかありません。
お前だからとか言っていますけど、「好きな女が好きな男が信頼出来るから身を引いたら、その男は男が好きだった」から怒るってねぇ。
勝手か!としか言いようがない。
とはいえ、それで怒ったトーマもトーマ。
辛いのも苦しいのも分かるが、ケンスケやマミに当たって良いという事ではない。
マミの思いの言葉尻を取ってそんな言い方するなんて、どれだけ自棄になっているんだか。
そういう意味で言っているんじゃないって分かってるでしょうに。
いつものトーマならゴメンと謝るはずなのにそうするという事は、それほどまでに激情に駆られているのか、それともマミの言葉に言い返したかったのか。
彼自身の押さえていたものも、その感情に任せて爆発しているようにも思えます。

実際それも言い得て妙というか、言葉上は同じ意味にとれるわけで。
人間としては女性として扱いつつ関係としては女性として扱うなというのは、男女平等を謳いながらレディースデーを活用するみたいなものですし。

もちろん、そういうつもりで言っているわけではないのは分かっていますよ。
彼女自身は「友だちとして扱ってほしい」という男女平等を望んでいる訳で、そういう人間関係を欲しているという事も。
誰も「男として扱ってほしい」といってるわけじゃ無いですものね。
そりゃシンゴだって殴りますよ。親友の気持ちを無碍にされたようなモノですから。
ケンスケとトーマの喧嘩はお互いの言い分と気持ちのぶつけ合いだからシンゴも静観するしかない。
どちらが正しいとか悪いとかじゃないんですもの。
でもマミの言葉と思いをそういう言い方されたら手も出ますよね。
シンゴがトーマを殴ったと聞いた時は理由が思いつきませんでしたが、これは殴るわ。

シンゴ自身が皆を大切に思い尊重しているからこその静観、しているからこその爆発。
なんだかんだ言っても彼ら高校生ですしね、どこまでも理性的にとは行けませんよ。
お互いの感情の爆発が噛み合わず揉めに揉めて両成敗。
ケンスケとトーマの殴り合いの時点で覗いてる女子生徒とかもいましたし、何処から噂が広まったのかなんて突き止められなさそう。
きっと見ていた人たちの悪意のない噂の連鎖が原因でしょうから、自分が発端と自覚もしていなさそう。
何にせよ、結局ケンスケのブチギレが発端で起こった今回の一件、ぶっちゃけ全部あいつが悪いというサヤの言い分は的確です。
そんなダチを傷つけた者同士が集まり行われる相談と謝罪。
どんな話になるのでしょうか。
恐らくは太一がぶつくさ言うしか無く、その態度にケンスケがキレて、太一がキレ返すような展開な予感。
は月並みかなー。
次回更新は5月22日、いつもより一週間遅れます。
ここからいつもより更に待てとは酷な事を言いなさる。
皆が幸せになって欲しいと互いを思いながらも苦しみ合うしかない青春。
ただただ「辛い」と口にしてしまう流れですが、ココから更にどう転がるのか。
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