『わたモテ』喪162 あらすじとネタバレ感想~心遊ばせあなたに届け
ガンガンオンラインにて連載中、
谷川ニコさんの『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』最新話が公開されました。
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喪162 モテないし願う
中庭に設置された笹に群がる生徒たちを見下ろすゆりと智子。
昨年開催された七夕祭りのシーズンが今年もやってきました。
智子は興味ないでしょ?と尋ねるゆりに対し、
去年は吊るしもしたと返す智子。
面白いこと書いてウケを狙ったと語る智子でしたが、
ゆりからはウケてくれる友達いたの?と図星を突きまくる辛辣な言葉が。

逆にゆりに書かないのか尋ねる智子。
それに対しては書いても叶わないしと現実的な返答。
でも願い事はあるんだと確認する智子に、
誰だって願望はあるでしょと返すゆり。
金?エロいの?暴力?と失礼な言葉を矢継ぎ早に言い出す智子に対し、
ゆりは教えないとだけ返すのでした。
そして一人、笹の元へやってきた智子。
恋人がほしいという短冊ばかりが目に入り、いつも同じだなとうんざり。
そこへ、「甘ったるくて媚びるような声」で先輩と呼ぶ声が彼女の耳に飛び込んできました。
その声の主は1年生の後輩、雫。

クラスの女子が皆で書いていたという彼女に気を遣い、
一緒に書くか尋ねる智子。
雫はその申し出を喜んで受け入れます。

しかし、特に書くことが思いつかない智子。
さっきゆりが言っていた様に別に叶う訳でもないし。
そんな事を考えていると横から視線が。
先輩の願い事が気になると雫がじっと見つめていました。
改めてとなると思いつかないねと言いながら雫の願いを聞いてみると、
もう叶ったという彼女。

余りにもナチュラルに繰り出された男たらしな発言を受け、
自分が男なら彼氏から寝とっていたなと訳の分からない思考に陥る智子。
そんな智子をさておき、雫は改めて願い事を書き記しました。
「先パイともっと仲良くなれますように。名前で呼ばれたいな」
その願い事を見て困惑する智子。
平沢さんと呼べばいいのかと確認すると、下の名前が良いとの事。
ちゃん付けでもなく呼び捨てで良いとの事なので、そのご希望に沿ってみると大喜び。

先輩は願い事決まりましかとくっつく程に寄ってくる雫に戸惑いながらも、
こうやって「願い事を書く」にかこつけてイチャイチャするイベントなんだなと
七夕の楽しみ方を理解します。

が、そのイチャイチャを厳しい目で見つめる少女が一人。

友人たちがまた書いてるのと疑問を呈す中、
笑美莉は無言のままその激情を短冊にしたためます。

何を書いているのかと慌てる友人たちを無視し駆け出した笑美莉。
彼女らの制止を無視し、その短冊を笹に吊るし始めるのでした。

そんなちょっとした騒動も露知らず、その日の授業を終えた智子。
ゆりと明日香と3人で自習室に向かう途中、明日香がちょっと寄りたいところがあると言い出しました。
向かったのはさっきも見ていた七夕祭りの笹。
せっかくだし皆で願い事しようかと思ってと話す明日香にまだ書いてないでしょうと尋ねられた
智子はつい、うんと答えてしまいます。

別に嘘をつく必要なんてなかったのに、戸惑う智子の後ろに立つゆり。
そのすぐ横に智子と雫の短冊を見つけた彼女は仕方なし、
その短冊の前に立ち隠すことにしました。

が、そのタイミングで風が吹き、
智子の短冊がまるでキョンシーの札の様にゆりの顔にかかる形に。

もう願い事してたんだねと笑う明日香に対し、
智子は必死で取り繕うのでした。
そんなやり取りをしていた3人を見ていた少女、風夏。
和気藹々と歩いていく彼女らを見ながら、
自分は二人の事が気になって仕方ないのにあんな楽し気にしてと
あらぬ苛立ちを覚えます。

「毛がさわりたい」とは一体何なのか、
出来る事なら今すぐ追いかけて問い詰めたい。

そんな事を考えながら願い事をしたためた風夏の短冊には、
その疑問が端的に書き記されているのでした。

翌日、また笹の元へ足を運んだ智子。
色々と短冊が増えていることに気づき、目を通します。

風夏の短冊も見つけ、あの剣道少女みたいなヤツは
電車の中で胸の事を聞いてきたりゲスい奴なのかと邪推。
知らぬは本人ばかりなり、何だかんだ他人の願い事を色々と見て楽しんでいる智子は
結局自分が一番このイベントを楽しんでいるのではないかという結論に至ります。

そこに、彼女を呼ぶ声が聞こえました。
振り向くと陽菜の姿。
願い事?と尋ねる彼女に、智子は見に来ただけだと答えます。
陽菜は昨日の時点で茜たちと書いたとのことで、
見上げたところにそれが有りました。

クロのおかげで今年は本当の願いを掛ける様になったと呟く陽菜ですが、
智子は全然ピンときません。
なんかやった?と問いかける智子の質問をスルーして、
陽菜は逆に昨年の彼女の謎の行動を尋ねます。
ふざけて書いたのを担任に見つかってつけさせられただけだと語る智子。

ウケ狙いで書いただけで本気じゃない。
ゆりに対しても言ったことでしたが、
変なところでボケるの昔から変わってないねと陽菜は半ばあきれ気味。
自分はふざけて捨てたいと言ったモノも、
声優目指すなら守らないといけないねと陽菜には注意を促します。

そんなことよりもう一つお願いがあると話を切り返す陽菜は、
ラノベ作家になりたいと言っていたよねと確認。
話半分で言っていただけなので生返事で返す智子に対して、
陽菜は短冊を取り出してそれを書いてほしいと言い出しました。
「ライトノベル作家になりたい」
そう書いて吊るした智子。
陽菜はその横に、自分の願い事を書いた短冊を吊るします。

なるだけでも難しいのに更にアニメ化とか望み薄すぎるだろと
現実的な意見を述べる智子でしたが、
陽菜は願うことは自由でしょと窘めます。
そしてその日の帰り道、
智子が帰ろうとすると短冊を担いで歩いていく生徒たちを見つけました。

その時、ひらりと落ちる誰かの願い事。
慌てて拾い渡しに行く智子。
笹はどうするのか。
智子の問いに女子生徒がお焚き上げをすると答えます。
その女子から、前の生徒会長が考えたイベントなのだと
既知の情報を受け取った智子は、
数多の願いが込められた短冊を見送りながら、
叶わなくても届けばいいと、改めて自分の願いを思い描くのでした。
感想
2週間ぶりの『わたモテ』。
前回の続きから智子尋問編に至るかと思いきや、
話はグワっと飛んで七夕祭りになりました。
昨年は荻野の所為で散々な思いをした七夕祭りですが、
友達も出来て関わり方も変わった智子。
何だかんだ学校のイベントを一つ一つ、ちゃんと楽しむ様になってきています。
ウケる友達がいないと言うゆりに
願い事はエロか金かと尋ねる智子。
屈託のない火の玉ストレートの応酬は正に友達と呼ぶにふさわしい。
昔の智子なら「人の事メチャクチャ言いやがって」とかブーメランを心の内で思ってただろうに、
しっかり会話を楽しんでる様子が良い。
そんな智子さんの後輩・雫も再び登場。
取り巻きの男も2人から3人に増えていました。
この調子でゆくゆくは院長の総回診ばりに男を引き連れてほしいものです。

とはいえ、未だ女友達が居なさそうな彼女。
七夕をクラスの女子が「みんなで」書いてましたというのが、
自分を置いてと言っている様に聞こえて切なくなる。
それを察して智子も誘ってあげたんでしょうけど、
雫にとってはそれが何より嬉しい様で。

このナチュラルボーン男たらし・雫は今回も本領発揮。
毎ページ「惚れてまうやろー!」と言ってしまいそうなシーン連発ですよ。
名前で呼んでほしいって敢えて短冊に書いて呼ばせるとかもう少女漫画の世界やん、
それで呼んだら「願いが叶った!」と喜ぶ女の子とか、そりゃ失礼ながら女子に嫌われるわ(笑)
智子も遂に自分の性別が間違ってることに気づいてしまうわ。

で、そうやって簡単に名前呼びを成立させた雫。
を見て黙ってられないのが我らがうっちー。
あまりの光景に我慢が出来ないのはわかりますが、
一句書いて笹に吊るすってもう相変わらず行動一つ一つが面白い。
今回出番これだけだし。

で、その次の登場は加藤さん。
まだ書いてないでしょうと一方的なイメージもちょっとアレですが、
つい気を遣った嘘を吐いてしまう智子にも問題が。
何かそろそろ「何故私には嘘ばかり吐くのか」と問い詰められる話になりそうな気が。
私はド変態だとぶっちゃけてるんだから別にゆりネモ辺りと同じく、
気兼ねなく言って良い相手な筈なんですけどね。
どうしても彼女に対する智子のイメージが取れないんでしょうね。

風夏さんも「あんな楽しそうに!」言うてますけど、
どう見ても智子おっかなびっくりですものね。
風夏さんももう完全にそっちのキャラになっちゃいましたね。
「明日香の毛が気になる」とか美保たちに対する誤解を生んで
そっち方向にどんどん転げ落ちていきそうな流れ。
薄い本が多ジャンルに厚くなっていきますわ。
次の日にもまた短冊チェックを続ける智子さん。
遂に「これ自分が楽しんでるんじゃね?」と開眼してしまいます。
分かるよ、神社の絵馬とかも気になって見回ったりしてしまうよ。
でも今回の短冊はこみさんや伊藤さんの尖りに尖った内容は置いておいて、
大事なのは三家さんね。
「毎日おいしいご飯を作ってあげたい」とかもうこれプロポーズやないか。
「毎日」が願いなのか「おいしいご飯」が願いなのかで内容が変わってきますけど、
彼女の実力を知っている身からすれば
ぜひとも彼氏の為に「おいしいご飯」に注力していただきたい所です。

そして一人短冊を眺める智子の元へ現れた陽菜。
登場の仕方がヒロインチック。
「膜から声が出ている」とか「処女性が大事」とか
意味の分からないプレッシャーばかり与えられる昨今の声優業界ですが、
確かに拘る人ほど見分ける方法を知らなさそうだ。
特に人前に出る人間なんて嘘ついてナンボですからね、良くも悪くも。
リップサービスでも何でも、妄信的に信じるのが一番ですよ。

で、結局ネモはどうなの?という話題はさておき、
彼女が来た理由は智子と共に短冊を吊るす為でした。
彼女は彼女なりに、智子と共に歩んでいきたい夢があるのです。
青学行ってラノベ作家になるとか破天荒にも思える道ですが、
智子は友人たちからの願いをどこまで叶えることが出来るのでしょうか。
去年今江先輩がしていた「皆の願いが届く様に」という願い。
智子もしっかりと受け継いでその願いを短冊にしたためました。
と見せかけて「私と皆の」と言っているのが智子らしいというか何というか。
十分に雫に色々と残せてるような気はしますが、まだまだ我欲が強い。
そりゃそうだ、人間だもの。
願うのは自由だし、届けば良いもの。
ネモが智子に書かせたのだって「願いを届ける」というに値する様な事。
そうやって人同士で関わって願いあって進んでいくものです。
そんな相手がいて羨ましい限り。

七夕祭りも終いを迎えるという事であれば、季節は間もなく夏本番。
遂には1学期も終わり海だ山だと学生が楽しむ夏休みを迎えます。
が、受験生の彼女らにそんな余裕はあるのか。
「合宿」と名の付く水着回はやってくるのか。
期待で心が躍ります。
次回更新は8月22日、お盆を挟んで3週間後ですのでご注意を。
『わたモテ』も連載されている「ガンガンONLINE」のスマホアプリ版が2019年10月3日に大幅リニューアルし、
チケットやコインを使って過去話を閲覧出来る様になりました。
これにより「ガンガンONLINE」では最新話まで「マンガUP!」では最新巻収録内容まで頑張れば無料で閲覧可能に。
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読み返したい方は両方使って一気に読んじゃいましょう。
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