『灼熱カバディ』第147話(前編)あらすじとネタバレ感想~主人公、再び棒立ちへ

裏サンデーにて連載中、武蔵野創さんの『灼熱カバディ』最新話が公開されました。
最新話はこちらから
前回の感想はこちら
第147話【楽勝(前編)】
能京高校対奏和高校、前半戦残り4分。
能京が4点差で逃げる中、奏和・高谷が攻撃に出ます。
戦力を削ぐ為、王城へと向かう。
かと思いきや、回り込んできた水澄にしっかりタッチ。
更にそのままボーナスラインすら狙わず、自陣へと戻る高谷。
王城のあの攻撃を見た直後であれば対抗してくるかと思いきや、
そんなこともなく冷静に対処していました。
先ずは守備を戻したかったのだろう。
そう判断する井浦。
片桐が戻ることで一枚層が厚くなります。
確かに六弦や片桐の不在で守備力は落ちる。
しかし、それだけで一気に崩せるほど彼らの守備はザルではない。
ならば何故高谷は深追いせずに戻ったのか。
そんな王城の懸念は、戻った彼の姿勢一つで理解出来るものでした。

守備も出来るって?
そう口に出しながら攻撃へと向かう王城。
攻撃ではなく、全体的に王城に対抗している高谷。
王城はその誘いに乗るかのように、
高谷と片桐のいる左コーナーへと駆け出します。
狙いは両方、片方だけでも取れれば更に優勢に立てる。
先の攻撃よりも、彼らへの集中に時間をかけられる。
何故なら、背後からの殺気が格段にぬるいから。

と、その瞬間、王城の一瞬の隙を見事に突く。
気付けば彼の足首の数cm先まで、
高谷の左手が迫っていました。

咄嗟に反応し身を退く。
その反応速度に感嘆する高谷と、キャントを唱えながら体制を整える王城。
そんな攻防を見ながら、宵越はある事実に気付いてしまいました。

奏和対紅葉では押し出し合いに至り、
そこまで見る機会の無かった高谷の真剣な守備。
分かってしまったのは、身体や能力の近い高谷の守備が
触られずナメられず、宵越の理想とする守備に近いものであるという事。

彼の守備に称賛を投げる王城。
しかし高谷とて彼を凌駕するには至らず、
捕らえるのは六弦に任せたいのが正直なところ。

そして残り5秒、再度能京・王城の攻撃。
3点のリードのまま後半へと繋ぎたいその最後になる攻撃で、
それは起こるのでした。
感想
主人公の活躍の機会がまた描かれなくなってきた『灼熱カバディ』。
久しぶりの前後編です。
片桐と六弦、奏和の2大野獣を同時に追い出した王城。
でしたが、それに対する奏和・高谷はまだまだ楽しむ気満々。
優勢ながらも突き放せない能京に対し、
高谷が更に見せつけてきました。
宵越ならほぼ確実にそんな攻撃を見せられた後
ムキになってカットバック全力疾走でしょうが、
高谷くんはクールに1得点。
点を取ることに躍起になっている誰かさんと違って、
彼は攻守共に自らの力で遊ぶつもりのようです。

で、実際に全力で遊ぶ高谷はまたナチュラルに煽る煽る。
バッチリ守備の姿勢決め込んでんじゃねーよと言われそうなポージングですが、
そのポーズ、ポーズではなく。
先の守備の様な気の抜けようもなく、しっかりと張り詰めた緊張。
更には背後の気配すら察知する王城の見えないほどの隙を衝いての接近。
その姿はまるで元来の守備の様で、宵越の理想に近い形でした。
かつては攻撃の為に守備に参加していなかった宵越も
今やしっかりと守備で戦える戦力。
しかしながらまだまだ不得手な部分も多いもの。

元より他スポーツからの転向組。
体格も似ている二人。
練習試合では腕を使った高谷の戦法を真似したり、
こっそり自分の手首を掴んでたりした宵越でしたが、
高谷からはまだまだ学ぶことがある様です。
捕まれば死という様な脅威は無いにせよ、捨て置くには当たらず。
隙あらば寝首を掻いてくるような守備をする、攻撃には行かせたくない要注意人物。
そう考えると鬱陶しさ半端ないな。

そんなマルチプレイヤー高谷に翻弄されるかのように時間だけが過ぎていく。
前半戦も残り5秒、最後の攻撃となるこのタイミングで、
奏和の最後の抵抗が始まります。
次回、後編の更新は2月18日。
気になる方はスマホアプリ「マンガワン」で先読みしちゃいましょ。
また、今回の更新で13巻のPRも併せ公開。
奏和高校対紅葉高校、能京のライバル同士の戦いも遂に決着。
毎度おなじみの描き下ろしでは紅葉高校の日常が描かれるとかなんとか。

紅葉ファンの方も奏和ファンの方も、
恐らくこの巻ではほぼほぼ活躍の無い宵越ファンの方々も、
友人たちと共に10冊ずつ買っちゃってください。
