『灼熱カバディ』第148話 あらすじとネタバレ感想~己を見つめ直す勇気さえ持てればいい

裏サンデーにて連載中、武蔵野創さんの『灼熱カバディ』最新話が公開されました。
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第148話【Reborn!!】
前半戦を終え、ハーフタイム。
高谷の煽りに対し苛立ちを隠そうともしない宵越たちですが、
人見からすれば前回の応酬に対し
何故ここまでキレられるのか理解が出来ません。

前半ラストの押し返しとその流れに反省する王城と井浦。
自分たちのミスを考えている最中、
井浦の耳元を暖める吐息が。

悲鳴を上げ飛び上がる。
久納は彼らに対し悪い癖が出ていると指摘。
勝っている今、まず振り返るのは良かったところだと、
彼はその体を使い選手たちを褒め称えます。

もちろん全滅を取った宵越にも全力のハグをしようとしますが、
彼は部長も頑張ったと王城を盾にして逃げる始末。

そう、みんな頑張ったからまだ勝っている。
では逆に奏和が能京に離されず付いて来ているのは、
誰のおかげか。

相手のいいところを潰していかないと。
そう続ける久納は彼らにその優先順位を問います。
六弦は思いの外空回りしていて、攻撃手優勢の競り合いになっている。
こちらのメイン攻撃手二人と競れるのは高谷くらい、
だと思いたいが、何を仕込んでいるかも分からない。

後半は守備、相手を止める。
いえ…と自身の言葉を否定した久納に続く様に、
彼らもまたその意気込みをはっきりと口に出すのでした。

一方その頃、奏和側では最後の押し返しの成功を喜び合う緒方と栄倉。
の横で一人、自身のコンディションを測る高谷の姿が。

冷静に自分の身体を確認する。
この試合においては温存出来ているのも大きい、
守備も頑張った割には今までより大分楽。
そう考えている彼の前で、まだ見せてない攻撃も有ると
自分を指す木崎。
使えるの?と茶化す高谷たちは、
負けていながらも明るいムードを保っています。
が、その中で一人負のオーラを纏う六弦。
自身が何をしているのかと、必死に自分を問い詰めます。

守備の成功は始めのみ、あとはせいぜい抑止力程度にしかなっていない。
原因は分かっている。

必要以上のこだわりが、意気込みが自らの枷となり、
泥濘のごとく足を取り動きを悪くしている。

私情を忘れ捨て去るべきか。
悩む六弦でしたが、その懸念を木崎が一蹴します。

その身勝手を今更自覚したのかと小馬鹿にする様に話す木崎は、
能京との練習試合さえその身勝手だったろうと彼の行動を指摘します。
普通に考えればどこか強豪と7対7で試合する方が得だったし、
あの時は片桐も居らず、緒方たち1年を鍛えるべきだと思っていた。
しかしそれでも何も言わずそれに付き従ったか。

強い人間しか見ないで来たからそうなった。
それはもう皆の知る六弦の長所であり短所。
ならさっさと目標の王城を倒して、次の標的を狙おう。
そうつづけた木崎は、全部倒したら立派な
奏和部長・六弦になるんだろうと彼に問いかけます。

彼の言葉に、笑みを浮かべる六弦。
立ち上がりながら、緒方にアップを指示。
言われた緒方はそのつもりでしたと、既に準備を始めていました。
室谷に変わり、緒方が入った7人で円陣を組む。
前半とは違うぞと口にする六弦に、高谷が切り替える?と尋ねると、
六弦はそれよりも大きく変化する事を告げます。

泣いても笑ってもこれで最後の後半戦。
各校その勝利へと向け、強く足を踏み出します。

そして、メンバーを変えて臨むのは奏和だけではありませんでした。
後半守備から開始となる能京は王城がベンチに座り、
関がコートに立っています。

部長への因縁は簡単には晴れさせないと彼に伝えていた井浦。
ですが、奏和からすればそんなモノ関係ない。

彼らの放つプレッシャーに気圧される関。
そんな彼に宵越はナメられてるわけじゃ無いと声を掛けます。
誰が相手でも目標へとたどり着く、
そう肚を括っている。
つまり、自分たちも同じ。
前半上手く〆たと思ってるだろうが止めればリードのまま。
そう口にする水澄は身を屈めながら、三人守備でもビビる事は無いと
関の心を鼓舞。

彼らを倒し、勝利して今ここに居る。
その結果を実力とし、その実力を自信に変える。
三人で高谷を、奏和の作戦ごと潰す。

やれるものならやってみろと、
高谷は彼らの言葉を皮切りに
攻撃を開始するのでした。
感想
前回、奏和の「楽勝ってカオ」で終わった前半戦。
案の定、パクられ嫌いで煽りに弱い宵越はブチギレ金剛状態。
人見からすれば理解出来ないレベルのキレっぷりに困惑するしかないですが、
横にいる水澄も含めそういうタイプですからなぁ。

前半の悪かった部分を省みて後半に活かそうとする井浦。
その考え、マイナスを潰していくと言うのも悪くは無いですが、
良い調子の所にここが悪かったねという話は、確かに気分がよろしくない。
久納のスイッチの切り替え方といいその私的といい、流石といえます。
しっかり褒めて、かつ次の流れを考えさせる。
彼らの努力を認め称賛し、更にその意識を一つ上に向ける。
抱き着くのは鬱陶しいでしょうけど、そのスタンスは素晴らしいと思います。
自分たちの努力の結果、今の優位が有る。
その優位を広げられなかったのは、縮めているのは誰か。
守備のレベルが高いと点数は少ない試合になるというようなお話もありましたが、
六弦の不調からして守備が上手くいかず点の取り合いとなっている現状。
第一に高谷の猛攻を止める事も大事ですが、
相手の司令塔・緒方の戦略を先読みし上回ることも大切。
久しぶりの久納のターンとなったハーフタイムでしたが、
もう誰もツッコミもしなくなったのは少し寂しい様な(笑)

守備陣のぶっ潰す!はもう物理的に潰しそうな勢いですが、
その守備力を如何なく見せて戴きたい所です。
伊達はゴリラを取り戻さないといけませんしね。
そして点数的には劣勢ながらも、
作戦を見事に成功させた奏和は中々に明るいムード。
高谷ファンクラブの娘が涙どころか涎まで出しちゃってもう。
高谷にありがとうとか言われたらその場で気絶しちゃうんじゃないかな。
これはもうぶっ潰すしかないわ(笑)
奇襲や最後の速攻、高谷の温存と様々な作戦を同時進行していた奏和。
更には木崎曰くまだ見せていない攻撃、
というか木崎のターンも有るようですが、
これは守備に続く彼の見せ場が用意されているということでしょうか。
使えるのかと茶化す高谷ではありますが、
彼もまた奏和のスターティングメンバ―。
その実力を見せて戴きたいものですが、
栄倉くんばりの潰され方をしない事を祈っております。

とは別にまた独りで潰れそうな重圧を放つ六弦さん。
自分の拘りと身勝手さでチームを振り回し、
脅威ではあるが脅威程度でしかない状態となっている自身に猛省。
「因縁も利用出来る」と言っていた王城に対し悔しさを滲ませていますが、
プレイ中王城は「カバディ」以外口にしていませんからね。
実際王城も「因縁もフェイントに使える」と思っていた訳で、
きっとそう言っているのだろうと感じ取れた六弦さんと王城のこのツーカーっぷりよ。
本当に仲の良いお二人です。

因縁すら利用する王城に対し、因縁に囚われ身動きの取れない自分。
滅私奉公とまでは行かずとも、チームの勝利を最優先すべきではないか。
そりゃそんな考え今更過ぎますわな。
新入生が入って副部長が大変な時期に、
無名校相手に「5対5で練習試合組んだ!」とか言って
更にその試合で1対1に持ち込んで戦う様な人間が
何をいまさら身勝手だとか。
その強さに惹かれ憧れ付いてきた。
だからこそこの位置にいる。
世界組・六弦として過去の因縁を、目標を倒す。
その上で奏和部長・六弦として自分たちを優勝へと導く。
それこそが本懐、それこそがベスト。
生まれ変わる奏和と、組み替える能京。
思いと思いがぶつかり合い、切磋琢磨する彼らの戦いも残り時間はあと半分。
メタ的に言えば能京が勝つのでしょうけども、
どっちが勝ってもおかしく無い様なこの雰囲気。
もうこの後がどうなっていくのか想像もつきませんな。
後半初撃、高谷の連続攻撃に対して能京は関を投入。
宵越より後発ながら初戦で世界組・外園を止める大一番を見せた彼なら
守備において「潰す」という戦い方において活躍出来るかもしれません。

飛び回る空中戦を得意とする高谷には分が悪い気もしますが、
どっしりと足を付いた地上戦であれば、
地に足を付いてがっぷりよつとなればどうなることやら。
きっと「私も高谷くんとがっぷりよつやりたい!」と叫ぶファンクラブ女子たちが溢れる事でしょう。
次回更新は3月3日。
あと20分で彼らの全てに決着がつきます。
スマホアプリ「マンガワン」では、そんな後半戦が先読みで公開中。
もう我慢出来ない!という方はそっちで先に読んで、
結局我慢しなければならない現実を受け入れて下さい(笑)