『アカイケモノ』第14話 あらすじとネタバレ感想~主人公の新たな相方はお婆ちゃん

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comicZにて連載中、中平正彦さんの
アカイケモノ』最新話が公開されました。

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前回の感想はこちら

 

この記事の目次

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第14話

ボイスレコーダーに声を吹き込む坂上。

唯一生き残るのは変化に適応出来たものだけである
アカイケモノ 第14話より

ダーウィンの言葉を借り、現状を説明。

唯一…だ。
そう改めた坂上は、黒い壁に覆われた世界から
脱出できる権利を持つ、
「赤い化物〈あかいけもの〉」の異名を持つ少年と出会ったと
録音を続けます。

しかし坂上が目線を向けたその少年・瑛〈あきら〉は床に座り込み、
膝を抱え絶望に打ちひしがれていました。

自分以外の人間全員を殺すことが条件
アカイケモノ 第14話より

そんな彼の周りに突如現れる、四つの人影。
現れた代弁者〈アバター〉たちの一人、女性の人影が
あんたが「化物殺し」?と瑛に問いかけます。

瑛を見下ろす代弁者たち
アカイケモノ 第14話より

代弁者にしては、顔がはっきりと見えない人影。
座りながら見上げた瑛が誰ですかと問い返すも、
匿名希望だと一蹴。
長居したくないから単刀直入に話すその代弁者は
「化物殺し」は出ていってちょうだいと不躾な発言。

強制なんですかと返す瑛に、まさかと答える女性。
でも力づくでもと主張する人がいるのも事実、
あんたを恨む人も多いからと続けます。

私たちは穏やかに暮らしたい
アカイケモノ 第14話より

そう言われ、ゆっくりと立ち上がる瑛。
代弁者の内一人がこんな子供だったとはと驚きますが、
そうは思わないともう一人が否定。

マンガやゲームの主人公気分で暴れまわって、
今どきの子供がやりそうな事だと侮辱する人影。
瑛の気も知らず、辛らつな言葉をぶつけ続けます。

少年のしたことは大量殺人だ
アカイケモノ 第14話より

黙ったままの瑛に代わり、言い過ぎだと言い返す坂上。
今の発言は訂正したまえと注意するが、
瑛は良いんですと彼の気遣いを断ります。

何処か麻痺していたんだと
アカイケモノ 第14話より

代弁者はそんな瑛にとっとと消えろ人殺しと捨て台詞を残し、
その姿を消すのでした。

ビルを出る二人。
坂上は迂闊だった瑛に謝りますが、
仕方ないですよと返事。

朝霞にある叔父の居る駐屯地に行こうと思うと話す瑛。
坂上は実際に歩いて作った黒い壁の地図を取り出し、
残念だが駐屯地は外だと指摘します。

なら学校に行こうかなと言い出す瑛。
友達でも待っているのかと尋ねますが、
忘れ物が心残りとの事。

教室にシューズを忘れてきた
アカイケモノ 第14話より

そりゃいいなと笑う坂上。
馬鹿にした訳ではなく、僕の地図作りと同じさと口にします。

いつも自問自答だよ
アカイケモノ 第14話より

学校なら途中まで送ろうと提案する坂上。
瑛は遠慮しますが、君との別れを惜しんでいるんだと返され、
見てもらいたい、見ておくべき場所があると説明。

決して楽しい場所じゃない、覚悟してくれたまえ。
そう言って、歩き始めました。

君が負傷して意識を失っている頃、
化物たちの間でこんな噂が広まった。
道中、瑛に話しかける坂上。

曰く、「赤い化物」化物専門で人は襲わない。
手に塗料が付着していても、変身しなければ殺されることはない。

曰く、下水道は安全だ。
実際に「赤い化物」が下水道で戦った痕跡が見当たらない。

と噂を伝える彼に導かれ辿り着いたのが、その下水道。

向かうは下水道
アカイケモノ 第14話より

君と出会ったのが二度とも下水道だった僕からすれば奇妙な話だと、
下水道の梯子に足をかけ降り始めました。

入る事を躊躇する瑛に安全は保障すると答える坂上。
化物との戦いはやむにやまれぬ、臨んだ物では無かったのは理解しよう。
だが、どこかマヒしていたという君の発言を看過する事は出来ない。
そう告げ、彼を下水道へ招くのでした。

君は反省するべきだ
アカイケモノ 第14話より

下水道は10日ほど前から凍り始めている。
化物となった自分たちには分かりにくいが、
現在気温はマイナス10度以下。

坂上の説明を聞きながら辺りを見回すと、
隠れる様に身を潜める人たちが。
瑛が怪訝そうに見つめるも、ようやく見つけた安寧の地で
向こうから手出しはしてこないよと坂上が声をかけ、進んでいきます。

下水道を進むと、多くの人たちが生活をしている様子。
瑛の手の塗料を怪訝そうに見つめる人たち。

言葉も目線も交わさず、通り抜けていく瑛ですが、
大人も子供も普通の人たちばかり。
自身がそんな人たちが変身する化物たちに行った所業を再認識し、
自責の念に駆られます。

自らの行った行為を思い返す瑛
アカイケモノ 第14話より

頭を抱え震える瑛。
坂上はそんな彼に、敢えて言葉を投げかけます。

その気持ちを忘れてはいけない
アカイケモノ 第14話より

そして、ふらついた足で辿り着いた曲がり角の先で、
その坂上でさえも驚愕する光景が飛び込んでくるのでした。

そこには首を吊った人たちがあ
アカイケモノ 第14話より

立ちすくむ二人。
通りがかった老婆がジロジロ見るもんじゃないよと声をかけてきました。

老婆に事情を尋ねる坂上。
理由なんて人それぞれじゃないのかい?と切り返されますが、
一番はこの場所だろうと、老婆は答えます。

いくら安全と言われても気を紛らわす事も出来ない。
嫌な事ばかり考えちゃっておかしくもなるよ。

そう語る老婆も我慢ならなくて出ていくところだと言う。
化物のテリトリー外の緑区にある家に向かうとの事。

テリトリー外だと警察に撃ち殺される危険がと
坂上が咎めますが、老婆は頑なに固持。

外は警察、中は赤い化物
アカイケモノ 第14話より

そんな会話の中、瑛は一人考えます。
自分の力は人を死に追いやる、自身がどう思おうとお構いなしに。
いつかは僕も死ぬ、いつどこでどうやって?
死にたくない、死ぬのは嫌だ。

そして、頭によぎるもう一人の「赤い化物」。

もう一人の赤い化物を考える瑛
アカイケモノ 第14話より

そう思った瑛は、老婆を自分が送ると提案。
「赤い化物」の正体を知る坂上はまるで良くないと反対し、
老婆に話が聞こえない距離まで彼を引き離します。

君が去れば脅威は無くなる、
おばあさんは引き留めておくべきだろ?と確認しますが、
脅威は無くならないと返す瑛。

赤い化物はもう一人いる
アカイケモノ 第14話より

自分よりずっと強く、赤く光る体を目立たない様に隠す、
戦いなれていてかつ頭も切れる個体。

「赤い化物」が1体だと思っていた坂上は調査不足を嘆き、
君の仲間なのかい?と瑛に尋ねます。

その問いに、ある意味そうかもしれないと答える瑛。

きっともう一人は最後に僕を殺すつもりでしょう
アカイケモノ 第14話より

遥かに人を超える力を手に入れ、
今まで何とか死なずに来れた。
でもその一方で皆を苦しめ不幸にしている。
坂上が人類の進化と言ったそれを、瑛は否定します。

こんなのは進化じゃない、悪化だ
アカイケモノ 第14話より

耳が痛いねと自嘲する坂上。
反面安心もした、その様子ならこれを頼んでもよさそうだと、
先のボイスレコーダーを取り出し録音を始めました。

両親へのメッセージを録音する坂上
アカイケモノ 第14話より

残念ながらぼくは黒い壁の外に出られそうにない。
だからそっちでは二人に彼の事を頼みたいんだ。
どうか彼の力に、恐れず優しく接してほしい。
それがぼくの最後の願いだ。

その録音を、ただ黙って聞く瑛。
坂上は終了ボタンを押し、彼にそれを差し出しました。

瑛にボイスレコーダーを差し出す坂上
アカイケモノ 第14話より

頼めるかな?と問う坂上。
逡巡し、約束は出来ませんと返す瑛。

僕の事しか言ってない、他のメッセージを録音しなくて良いのかと問い返しますが、
黒い壁にコピーされたぼくがいつか会う機会があるかもしれない。
両親に言い忘れた事はその時にするさと、笑って答えます。

そんな話も聞こえず、痺れを切らし怒鳴り出す老婆。
行きたまえと瑛の背中を押します。
自分はここに残る、テリトリー外では黒い壁の調査を続けられない。
坂上が先に言った、後悔したくないという話の続きだ。

お世話になりました。どうか気を付けて。
そう最後に伝え、老婆と歩き出す瑛。

彼を見送りながら、坂上も最後の言葉を贈るのでした。

エールを送る坂上
アカイケモノ 第14話より

感想

久しぶりの更新となりました「アカイケモノ」。
前回明かされた事実と、に降り注ぐ絶望。
そんな引きから何か月越しよ(笑)

絶望に打ちひしがれる瑛の前に現れた、
匿名希望の化物たち。
代弁者での登場でしたが、言いたいことを言って去って行きました。

以前には大勢で囲んで1体ずつ襲ってきたりと
好戦的な化物ばかりなのかと思っていましたが、
中身はあくまで人間。静かに暮らしたい人たちだっていますよね。

そして、そんな化物たちとの戦いにどこか麻痺していると口にした瑛。
坂上もその部分を看過出来ないとしましたが確かに。
化物なら人間じゃないんだと言いきってしまっては、
ソレこそ自ら人非人に堕ちてしまいます。

坂上が見せた現実。
そして、彼さえも知らなかった現実を見て、
自らの存在の強さと脅威を改めて知った瑛。

今の所最後の一人になると、という事実を知るのが
坂上と瑛だけですからまだ良いですが、
そんな情報が知れ渡ればソレこそ一瞬で地獄に変わりそう。

自ら死に至るか殺されるか、殺される前に殺すかの三択ですものね。
「赤い化物」が絶対化物殺すマンなのは周知の事実ですし、
出たいと思った隣人が突然襲い掛かるかもしれないなんて考えたら
気が休まる訳が無い。

瑛自身、今後無暗に化物を殺すことはなさそうですが、
襲い来る敵に対しては仕方ないかもしれません。
既に真っ赤に染まっているもう一人の「赤い化物」との戦いは最後となりそうですが、
その時にはこの老婆も地下の人々も、そして坂上も
死んでいるとなるのが何とも悲しい。

老婆との出会い、そして行動は彼に何をもたらすのか。
化物のテリトリー外となると人間たちの区画。
そこでどんな出会いが待つのか。
前回から半年ぶりの更新となりました今回。
次回更新はいつになるのか、不安と期待で一杯です。

そんな『アカイケモノ』は現在第1話と13話、14話が公開中。
12話まではコミック2巻までに掲載されていますので、
是非とも1巻からまとめてご覧ください。

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