『灼熱カバディ』第91話 あらすじとネタバレ感想~差し入れはドリンクと勝者への願い
裏サンデーにて連載中、武蔵野創さんの
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第91話【敗者の願い】
カバディ高校大会、第一回戦Bブロック第1試合。
伯麗ISと能京高校の戦いは、
23対30で能京が初の公式戦勝利を掴む形で決着しました。
初めての公式戦の勝利に
この上なく歓喜する能京メンバーたち。

遂に公式戦で勝ったぞと、
王城も拳を握り締めて勝ち誇ります。

しかし、そんな彼らを止めた伯麗IS・外園の男泣き。
その表情を見たルークも
自らの無力を痛感し、涙を流します。

能京の2、3年たちには痛い程分かる感情。
今回に関しては彼らが味わってきたものとはまた別物、
自分たちの勝利によって終わった者がいるというその事実が
彼らの表情を曇らせます。
動かない外園に、誠心誠意頭を下げるルーク。

タイランたち他のメンバーも、
自分たちの力の無さを悔やみ、意気消沈。

ルークの肩を押してその顔を上げさせた外園。
両肩を強く掴み、彼に語りかけます。

あくまで部長らしく、明るく話し始める外園。
カバディという競技はゴールではなく人から点を奪う。
誰が取られたのか明確に分かる。
だからこそ、誰の責任など口にするべきじゃない。
原始的な様で品格が問われる。
後悔は成長に必要な感情だが、
自分の中にあれば充分だ。
涙をぬぐいながらそう話す彼は、その涙を指で弾きながら
自らの涙の意味を伝えます。

胸を張ろう。
最後まで笑顔で、チームを称える部長・外園。
彼の言葉に、メンバーも応えます。
お互いに並び、礼をする。
伯麗の夏が終わる。
しかし、終わるだけではない。
彼らの変化を、成長を、最後にまた感じ取った畦道。

能京の勝利に沸く観客たち。
能京サッカー部の面々は噂になってると盛り上がりますが、
監督は一人浮かない顔。
このまま行けばそれでいいんだがと、一抹の不安が残ります。

一回戦突破を喜ぶ能京メンバーでしたが、
まだ一回戦、気は抜けない。

ベンチに座る水澄は、自らの中に有る奇妙な感覚に対し、
疑念を抱いていました。
あれほど望んできた勝利を得て、嬉しいという気持ちはあるが、
どこか喜びきれない。
伊達も同じ感覚に苛まれていた様で、
3年に外園のカバディ歴を尋ねます。
中一の時に選抜二軍で既に上級者だったと語る井浦。
王城の口から、彼のかけてきた年月が語られます。

彼がそれだけの期間、駆けてきた人生が、
たった一時間足らずの試合で終わってしまった。

自らの心中にあった感情がグッと顔を覗かせる。

辛酸を舐め続けてきたからこそ生まれた不安、甘さ。
固まる彼らのロッカールームに、突然の来客が訪れます。

現れたのは伯麗IS部長・外園。
突然の登場に身構える能京でしたが、
お礼参りじゃないさと返し、
部長の引継ぎをしてきたと自らの立場を口にします。

訝しげに睨む宵越に対し、
毒なんて持っていないよと笑う外園。
試合で輝いていた選手たちに、持ってきたドリンクを投げ渡します。
中盤まで流れを作ったじゃじゃ馬に。
攻撃手を守り切った固い盾に。

他にも、キリが無い。
そんな大量の毒は手に入らないなと座り込みながら
軽口を叩く彼は、代わりに願いを込めたと胸に手を置きます。

カバディ好きのナイスガイとして、
伯麗のOBとしての願いだ。
立ち上がり、その部屋を後にする外園。
勝ち続けろ。と、その願いを託し去って行きました。
黙り込む宵越と、唖然とする畦道。
ああいう人は普通なんですか?カバディじゃと王城に尋ねますが、
彼は外園に言われた言葉を思い返していました。

彼はその言葉を、体現して見せたのです。

渡されたドリンクを持ち、蓋を開け歩み寄る能京メンバー。
託された願いを胸に、更なる飛躍を目指し突き進むことを
改めて誓うのでした。

感想
前回、遂に決着の着いた伯麗戦。
自らの「最愛」とするカバディに終わりを告げた外園でしたが、
自身の言葉通り、最後まで部長としてやり切りました。

チームメンバーの後悔と苦悶を振り払いこれからの糧に変え、
自分たちを倒した相手を鼓舞し、飛躍と願いを託す。
もう本当に、「兄貴」と呼ぶにふさわしいキャラクターが
ぽっと出てぽっと消えるなんて……。
何かもう、主人公たちの勝利を素直に喜べないわ(笑)
そんな兄貴に称えられ、再び前を向いた伯麗ISのメンバーたち。
涙は止まり、見据えたその目には何が映るのでしょうか。
宵越、畦道と同じ一年生のルークを始め、
次の大会以降もきっと強敵として立ちはだかる事でしょう。

そんな外園たちに勝利した能京でしたが、
どうにも喜べない2年生。
自らの失態で敗北を呼んでしまっては、
3年生たちのカバディ人生を終わらせるのが自分たちになるという事。
敗北を知るからこそ、味わったからこそ起こりうる不安。
次回まで尾を引かなければ良いのですが。
マイナスなイメージばかり持っているとそっちに向かいやすくなりますし、
切り替えるのが大事だとは思うのですが、
その辺り前回の大会で往復するだけだった彼らには中々難しそう。
畦道や宵越たちのポジティブさに背中を押してもらいたい所ですね。

ナイスガイからポカリと願いを受け取った彼らの
次の戦いは一体どうなるのか。
毎回こんな濃いキャラと熱い話をされてしまっては
嬉しいんですが決勝戦まで何巻出す気よって勢いになっちゃう(笑)
次回更新は7月31日。
猛暑の暑さに負けない熱い戦いの続きも、乞うご期待。
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第二試合に向けて、彼らの行く先は一体。
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